フォトリソ
半導体のフォトリソグラフィとは、ウェハ(薄い板)に光を照射して微細な回路(パターン)を描く工程です。
- ウェハに膜・フォトレジストを均一に塗布
- フォトレジストに光を当てて不要部分を溶かす
- 現像液で溶かした不要部分のレジストを除去
この工程によって、次のエッチングでウェハにパターンを刻み込む準備をします。
ナノオプティクスが提供する半導体フォトリソグラフィサービスは、開発コストや開発スピードの負担を低減させるだけでなく、これまでの課題を解決できるような高度な技術も提供しております。
このページでは、弊社のフォトリソサービスや技術について紹介します。
一般的なパターニングと弊社のパターニング

ここに違いについて記載します。
露光装置とパターニングの最小サイズ
| ArF液浸露光装置 | Im-ArF Dry-ArF |
hp=38nm |
| KrF露光装置 | KrF | hp=80nm |
| i-線露光装置 | i-ray | hp=350nm |
対応可能なフォトリソ
ここに対応可能なフォトリソについて記載します。
弊社のWafer
Wafer(ウェハ)とは、ICチップの材料となる半導体物質の結晶でできた円形の薄い板です。
ウェハの表面に成膜や露光、エッチングの加工をすることで、微細なパターンを形成できます。
弊社では、下記のウェハに対応しています。
| 8インチ | Si(シリコン) Quartz(石英) Glass(ガラス) 等 |
| 12インチ | Si(シリコン) |
シリコンウェハや、ガラスウェハの販売もおこなっております。
弊社の露光技術
弊社の露光技術について紹介します。
- ナノインプリント用 マスターモールド(LCD:液晶ディスプレイ)
- ナノインプリント用 マスターモールド(LED)
- 液晶製造プロセス用 深紫外線WG偏光板(仕向:液晶ディスプレイ)
①ナノインプリント用 マスターモールド(LCD)

ワイヤーグリッド偏光子の作成工程
ナノメートル・スケールのパターンを持つ型を押し付け、凹型のパターンを転写する製造技術です。
弊社では、ディスプレイメーカーに対し、高品質かつ低価格のマスターモールドを提供しています。
※ディスプレイメーカー:AUO(台湾)、BOE(中国)、LG(韓国)、SHARP、ジャパンディスプレイ等…
②ナノインプリント用 マスターモールド(LED)
ナノインプリント技術によってサファイア基板上に3次元パターンを構成することで、LEDの高輝度化の実現ができます。
弊社のナノインプリント技術では、断面の角が丸くならないため、輝度にバラツキがでません。
たとえば台湾・中国・欧州のLEDメーカーでも、ナノインプリント技術を用いてサファイア基板の加工を行っています。
しかし、パターンを保護するモールドによって、歩留まりの低下と輝度のバラツキの課題があります。
弊社の技術では、この課題を解決できます。
※LEDメーカー:EPISTAR(台湾)、三安光電(中国)、オスラム(ドイツ)
<NG例>

こちらのナノインプリント技術では、角が丸くなっているのがわかります。
<お客さまの本来の要望>

お客様の本来のご要望は、このように角が丸くない加工です。
<弊社のナノインプリント技術>

こちらが、弊社のナノインプリント技術です。
角の丸みは無く、歩留まりの低下と輝度のバラツキの課題を解決できます。
③液晶製造プロセス用 深紫外線WG偏光板(仕向:液晶ディスプレイ)

基板に塗布された配光膜に、直接偏光の紫外線を照射することで、液晶画面などの光の透過率がアップします。
この光配向技術はウシオ電機の独占市場となっており、非常に高価なDUV-WGPが使用されています。
大面面積サイズの制作も可能!シームレスパターニング技術
大面面積サイズのデバイスを製作する場合、Shotの繋ぎが必要です。
しかし、ワイヤーグリッド偏光子やLEDのモールドに共通して、つなぎ目の甘さが課題となっています。
弊社ではシームレスパターニング技術を用いることで、つなぎ目を無くすことが可能になりました。
Shot間のつなぎ目が無くなることで、ディスプレイや車載関連に適用できるサイズの光学デバイスの製造に対応できます。
<ワイヤーグリッド偏光子用の露光例>

ふちに隙間ができてしまっています。
<LED用の露光例>

色ムラが目立っています。
<弊社の技術導入後>

弊社のシームレスパターニング技術により、つなぎ目を無くし、色ムラを抑えることができます。
<つなぎ部の変化>

つなぎ目のビフォーアフターです。(※弊社の露光した断面図が右の写真)
左上の濃いグレーが、一般的なつなぎ目の部分です。
しかし弊社の露光技術では、つなぎ目がわからないほど、シームレスに露光することができます。
実物を目視したイメージはこちらです。

弊社のテクノロジー利用例はこちら
これまで紹介した弊社のテクノロジーを利用した例を紹介します。
WGP(ワイヤーグリッド偏光子)用途例
<電子ミラー>

CGH用途例
<CGH証明モード>

適切な波長やご希望の光形状に合わせて設計・製作が可能です。
もちろん、別の照明モードを作成することもできます。(例:アニュラー・ダイポール・クロスポールなど)
※上記はKrF(λ=248nm)のみの為、0次光が出射します。しかし、λ=248nmでは2%未満です。
DOE用途例
<顔認証モジュール>

<レーザーイメージング>

DNA シーケンサー用チップ
<DNA チップ>
